代表値の一種である平均値。
そんな平均値ですが、実は平均値にも様々な種類があります。
↓(代表値については、以下の記事で詳しく説明しています!)
代表値とは 平均値・中央値・最頻値の違いや求め方を解説
たとえば、一般的に用いられる算術平均の他に、加重平均、幾何平均、調和平均があります。
算術平均と加重平均の違いとは それぞれの特徴や具体例を解説!
そのなかでも今回は、「幾何平均」について解説していきます。
是非この機会に知識を身につけておきましょう!
この記事を読むと分かること
- 幾何平均とは
- 幾何平均の例
最後まで楽しんで読んでいただけますと幸いです!
幾何平均とは
幾何平均(geometric mean)は平均の伸び率を表す場合に用いられる平均のこと。
幾何平均は、別名「相乗平均」とも呼ばれます。
求め方は、以下の式の通りです。
式だけ見てもなかなかイメージがわきにくいと思いますので、具体的にどのような場面で利用されるのか、詳しく見ていきましょう!
幾何平均の例
ポイント
ある企業の月ごとの売上の上昇率を考えます。
5月の売上は前月の10%増、6月の売上は前月の20%増でした。
このとき、4月~6月の平均の売上上昇率はいくらになるか。
このような問題では、実際に数字を当てはめて考えると理解がスムーズです。
仮に、4月の売上を10億円としてみましょう。
そうすると、5月の売上は前月(4月)の10%増なので、10億円 × 1.1 = 11億円となります。
そして、6月の売上は前月(5月)の20%増なので、11億円 × 1.2 = 13.2億円となります。
さて、ここで求めるべき月間平均売上上昇率をxとおいてみます。
そうすると、10億円 × x × x = 13.2億円となります。
この式を解いていくと、「10x² = 13.2」→「x² = 1.32」→「x = √1.32 ≓ 1.149」となり、
つまり、月間平均売上上昇率は約14.9%となります。
では、もし算術平均を用いていたらどうなったのでしょうか。
こちらも実際に計算してみましょう。
10%と20%の平均を算術平均で求めると、15%になります。
15%の伸びということは、4月の売上に1.15をかければ5月の売上が出て、5月の売上に1.15をかければ6月の売上が出るということになります。
実際に計算すると、10億円 × 1.15 × 1.15 = 13.225億円 となります。
このように、実際よりも高い売上データが求められてしまいます。
適切な経営判断を下すためには正しいデータを得る必要があるため、場面によって平均の種類を使い分けることが大切になります。
まとめ
以上が、幾何平均の説明です。
会社の売上以外では、投資信託の利回りを考えるときなどにも幾何平均が利用されます。
上述のように便利な幾何平均ですが、算術平均以外の平均については、大人の方でも知っている方が多くないのが現状だと思います。
会社の会議などで正しい平均を使って議論がされているか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
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