統計学 統計雑学

統計学の歴史 概要や発展の歴史を分かりやすく解説

こんにちは。統計ブロガーのにっしーです。

ビッグデータ活用の時代となり、データ分析や活用に役立つ統計学がより一層注目されるようになってきました。

今回は、そんな統計学の歴史や成り立ちについて詳しく解説していきたいと思います!

この記事を読むと、以下のことが分かるようになります!

この記事を読むと分かること

  • 統計学の成り立ち
  • 統計学の歴史
  • 統計学の今後の展望

最後まで楽しんで読んでいただけると幸いです!

統計学の始まり

統計学は、もともと社会経済分野で始まった学問です。

そもそもの始まりは、国の現状を把握するために始まったといわれています。

例えば、税金を集めるときなどにも人口のデータが必要になってきますよね。

このように、正しい国家の運営には、正しく国の現状を知る必要があったのです。

例を挙げると、ローマ帝国の初代皇帝であるアウグストゥスは、人口や土地を調べる調査(census)を行いました。

この人口や土地を調べる調査をのことをセンサス(census)と呼びます。

現代でも、国勢調査のことを「人口センサス」と呼ぶのはその名残です。

このように統計学は、国の現状を把握するために始まった考え方なのです。

ちなみに、統計学は英語でstatisticsと言いますが、これも国を意味するstateが語源と言われています。

理系的分野への発展

その後、統計学は社会経済分野から、遺伝などの理系的分野へと発展していきました。

有名な学者でいうと、遺伝を研究したメンデルも統計学を発展させた偉人の一人です。

エンドウを使った、優性の法則、分離の法則、独立の法則はあまりにも有名です。

遺伝法則の解明から、相関や回帰分析という考え方が生まれました。

統計を活かした改善提案を行ったナイチンゲール

統計学の歴史を語る上で欠かせないのが、近代看護教育の母とよばれるナイチンゲール(1820~1910)です。

名前は聞いたことあるけど、何した人なのか分からないという方もおられるかもしれません。

日本ではあまり知られていないかもしれませんが、実はナイチンゲールは看護師でありながら、優秀な統計学者でもあったのです。

ナイチンゲールは、クリミア戦争の際、イギリス政府からの指令で、看護師団のリーダーとして、現地で負傷した兵士たちの看護に尽力しました。

その際、ナイチンゲールは、イギリス軍の戦死者・傷病者に関するデータを分析しました。

そこで、判明したのは、彼らの死亡原因の多くは、戦時中に負った傷が原因ではなく、傷の治療や病院の衛生状態に問題があったことが原因で命を落としているのだということを明らかにしました。

そして、ナイチンゲールは病院の衛生状態の改善に取り組み、傷を負った兵士たちの死亡率を劇的に下げることに成功したのです。

データ分析の結果に基づいて改善を提案し、実践していくという点で、ナイチンゲールは統計学の歴史において重要な役割を果たしています。

▼ナイチンゲールについて詳しくご紹介した記事はこちら▼

ナイチンゲールと統計学 医療統計の先駆者としての功績を紹介

確率論との結びつき

20世紀に入ってからは、数学の確率論と結びつき、数理統計学が確立しました。

たとえば、カールピアソンは「科学の文法」としての統計学の役割を強調しました。

また、R.A.フィッシャーは数理統計学の創始者として有名です。

推測統計学、最尤法、実験計画法、などの現在でも利用されている手法は、フィッシャーによって生み出されました。

それからは、計算技術の発達により、徐々に複雑な計算を伴う統計学が発展していきます。

そして現代のカタチヘ

コンピュータの発展に伴い、統計学は現代ではあらゆる分野に応用可能な学問になっています。

現代の学問の多くは、実証分析を伴う学問であり、それらにおいて統計学の考え方は必須です。

なぜなら、それらの学問は、様々な数値データ(定量データ)、もしくはカテゴリカルデータ(定性データ)の分析で、数多くの実証を重ね、学問の発展につなげてきたからです。

なかでも医学、薬学においては、特に統計学が重要視されています。

適切な治療法、新薬の開発という人命に関わる調査が、統計学に基づかない独自の方法で行われていたら、どうでしょうか。

きっと皆さん不安を感じることと思います。

そのため、医療業界では統計に基づいた開発が欠かせないのです。

このようにして、統計学はあらゆる学問の根幹を揺るぎないものにしています。

統計学の今後

これまでは、公的な調査や学問の確立を中心に活躍してきた統計学ですが、

今後は民間企業のデータ活用を通して発展を遂げていくのではないかと思います。

5Gの時代も近づき、より容易に大量のデータを収集できるようになることが予想されるため、ビッグデータ分析を通じた経営戦略を考えることが、今後は必要になると考えられるからです。

今や個人商店、会社問わず、データを持っていない会社はありません。

たとえば、売上、仕入、在庫管理、工数管理など、あらゆる業務にデータは潜んでいます。

これらのデータを正しく分析すれば、商品が売れなかった要因、多くの工数を使った割に利益が芳しくない事業、など様々な経営課題が見えてきます。

統計学は、あらゆる学問を支えているのと同様に、あらゆるビジネスにおいて活躍する可能性を秘めた学問なのです。

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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