統計学

算術平均と加重平均の違いとは それぞれの概要や具体例を分かりやすく解説

こんにちは。統計ブロガーのにっしーです。

今回は、代表値の一種である平均についてのお話です。

↓(代表値については、以下の記事で詳しく説明しています!)

代表値とは 平均値・中央値・最頻値の違いや求め方を解説

平均には以下の4種類があります。

・算術平均
・加重平均
・幾何平均
・調和平均

なかでも、基本的な平均としては算術平均加重平均がよく出てきます。

しかし、それらの違いを理解している人は意外と多くないと思います。

そこで今回は、算術平均と加重平均の違いについて解説していきます。

この記事を読むと、以下のことが分かるようになります!

この記事を読むと分かること

  • 算術平均とは
  • 加重平均とは
  • 算術平均と加重平均の違いについて

最後まで楽しんで読んでください!

算術平均とは

算術平均は、私たちがよく知っている

データの合計をデータの数で割る平均のことです。

別名、相加平均とも呼ばれます。

算術平均の例

具体的な算術平均の例をみていきましょう。

算術平均の例

(例題)以下の数字の平均は?
1、6、10、12、16

(答)
(1+6+10+12+16) ÷ 5 = 9

これは簡単ですね。

一般的に「平均」という場合は、この算術平均のことを指すことが多いです。

それでは次に、加重平均をみていきます。

加重平均とは

加重平均とは、個々のデータの重みを加味した平均のことです。

字面だけではイメージがつきにくいと思いますので、こちらも具体例とともに見ていきましょう。

加重平均の例

加重平均の例①

・チューハイ 500ml(アルコール度数5%)
・梅酒ロック 200ml(アルコール度数10%)

この両方を飲んだ場合、摂取したアルコールの平均度数は何%になるか。

この場合、「5%と10%だから、平均は7.5%だ!」とはなりませんよね。

なぜならそれぞれ飲んでいる量が異なるからです。

もっと極端な話をしたほうが分かりやすいかもしれません。

次のような例もみていきましょう。

加重平均の例②

・ウイスキー  30ml (アルコール度数40%)
・チューハイ 1000ml (アルコール度数5%)

この両方を飲んだ場合、摂取したアルコールの平均度数は何%になるか。

この場合、摂取したアルコールの平均度数は、「40%と5%だから足して2で割って22.5%だ!」ともなりませんよね。

明らかにチューハイばかりたくさん飲んでいるので、そんなに平均度数は高くならないはずです。

このような場合、個々のデータの重みを加味しなければなりません

今回のケースでは、お酒を飲んだ全ての量のうち、それぞれの度数のお酒を何ml摂取したのかがその重みとなります。

例1の場合、チューハイに含まれるアルコールの量は、500mlの5%なので、25mlです。

梅酒ロックに含まれるアルコールの量は、200mlの10%なので、20mlです。

つまり、アルコールの量の合計は、25+20=45mlとなります。

そして、飲んだ酒の量の合計は、500+200=700mlです。

そのため、45÷700≓0.064(=6.4%)となるのです。

例2の場合、ウイスキーに含まれるアルコールの量は、30mlの40%なので、12mlです。

チューハイに含まれるアルコールの量は、1000mlの5%なので、50mlです。

つまりアルコールの量の合計は、12+50=62mlとなります。

そして、飲んだ酒の量の合計は、30+1000=1030mlです。

そのため、62÷1030≓0.06(=6%)となります。

これが加重平均の考え方です。

加重平均が使われる場面

算術平均は多くの場面で使用される一般的な平均ですが、加重平均はどのような場面で使用されるのでしょうか。

先ほど例に挙げたお酒の平均アルコール度数だけでは分かりにくいかもしれないので、いくつかの例をご紹介します。

加重平均が使われる場面の例

・とある学校にて、A組、B組、C組の身長の平均を使って、学年全体の身長の平均を求める場合。
・とあるパン屋にて、「クロワッサン」と「カレーパン」、「サンドイッチ」の一日の平均売上を考える場合。
・とあるメーカーにて、様々な製品の平均の歩留まり率を計算する場合。

それぞれ、クラスによって人数が変わったり、パンの売れた個数が変わったりする可能性もあるので、データの重みを考える必要があります。

そのため、このような場面でも加重平均は使われるのです。

ビジネスの場でも活用できる計算方法なので、是非この機会に覚えておきましょう!

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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