この記事を読むと分かること
- 占い統計学のつながり
- 占いと統計学の違い
今回の記事では、占い統計学のつながりについてご紹介していきます。
統計学を知らない方にもわかりやすく書いているので、是非最後まで読んでみてください!
占いと統計学の違い
まずは、統計学とは何なのかを整理しましょう。
統計学とは、計測したデータの性質を予測する学問です。
「記述統計」「推測統計」「ベイズ統計」の統計学などの統計学の考え方がありますが、その中でも占いは「推測統計」にあたります。
「推測統計」は、処理しきれないほどの膨大なデータの性質を予測するものです。
しかし、推測統計を使えば完璧にデータの性質を予測できるわけではありません。
調べる時期、時間などによってデータの性質が少しずつ変わる可能性があります。
そのため推測統計を行う場合は、継続的にデータの予測を行う必要があります。
統計解析をするために最も重要なのが、データの量とデータの質の確保です。
まずはデータの質と量について考えていきます。
データの量と質
皆さんの家族は何型でしょうか?
(図)祖父B型 祖母O型 父B型 母O型 子B型
図のような場合、「うちの家族はB型が多いから、日本全国B型が多いはずだ」というのはあまりにも安易ですよね。
実際の日本人の血液型の割合は、
A型:B型:O型:AB型=4:3:2:1
といわれています。世界でみると、O型が一番多く、A型、B型が続いて多いそうです。
このように、データの量が少ないと信頼度が下がりません。
「私がこれまで占ってきた10人は、私の占ったとおりになっている」といわれても、さすがに信用できませんよね。
さらに、占った人数が多いからいいわけでもありません。
たとえば、「沖縄の人だけ」や「子どもだけ」を1万人鑑定したとしても信用できますか?
偏りのあるデータではなく、正しい手法で集められたデータでなければなりません。
今のは極端な例ですが、占いにいく人は「経済的に余裕がある女性」が一般的に多いといわれています。
鑑定料が高いのと、女性は直観に対する信頼性が高いためです。
占いをするにあたり、まんべんなく集められたデータなのか、きちんと確認してみてください。
統計学において、データの量と質が大切ということはご理解いただけたでしょうか。
データ化・数値化できない
「占いが統計学ではない」という一番の要因が、占い結果をデータ化や数値化させるのは難しいことです。
占う相手の年齢、性別、出身、職業などを調べた上で、鑑定後、どうなったかというのをすべてまとめているでしょうか。
占いが当たった人も当たってない人もです。
占いは、鑑定結果を可視化できないですし、抽象的な内容をデータにまとめることはできません。
占いが統計学だとすると、当たる確率と当たらない確率をきちんと伝えられないといけません。
さらに、テレビの視聴率や内閣支持率のように、継続的にデータの予測を行う必要があります。
データの量と質を正しい手法で集めることは、占い師の実務上難しいですよね。
これが、占いが統計学ではない理由です。
(統計学をもっと詳しく知りたい方は統計調査士が解説する「統計学とは」にて解説しているので、そちらをご参考ください。)
次に、よく占いが統計学だといわれる理由を考えたいと思います。
統計学といわれる占い
いろいろある占いの中でも、統計学といわれる占いは主に「手相・人相」「占星術」です。
さきほどの「データの質と量」「データ化・数値化しにくい」という観点で統計学とはいえない理由をご説明します。
手相・人相
手相は「てのひらのしわ」、人相は「顔のパーツ」で占います。
このような目つきの人はこのような性格の人が多い、このような線がある人はこのような人生を歩むことが多いというのは、膨大な経験則から因果関係を見極めていったものになります。
これは「統計学と考えてもいいのか?」と悩むほど、統計学的要素の入っている占いです。
ですが、手相や人相はその時その時で変わることも多く、手相が変わればその結論すらも変わってしまいます。
そのため、長期的に質のよいデータを集めることは難しいため、統計学とはいえません。
占星術
占星術は、ホロスコープをもとに性格と運勢を占うものです。
ホロスコープとは「ある瞬間の星の配置が、その瞬間に地球上で起きた出来事や、その瞬間に生まれた人々に対して何らかの影響を与えている」という考え方をもとに図にしたものです。
この占いには出生地や出生時刻を正確に聞き取り、ホロスコープにまとめる必要があります。
そのため、全く同じホロスコープはできません。
つまり、統計学的データを取ることはできないんです。
しかし、ホロスコープの見方で「〇〇の星がある人はこうなりやすい」「〇〇の星を持っている人はこういう性格だ」というように、データは取れなくてもある程度の傾向は掴むことができると考えられます。
占星術は、古来より伝わってきた経験則の積み重ねと見る方が多いです。
占いは統計学でなく心理学を使っている
「占いは統計学ではない」からといって、占いが悪いというわけではありません。
ただ、なかには心理学を使っている詐欺師もいます。
占いが統計学かどうかという前に、心理学のテクニックにハマらないようにお気をつけください。
代表的な心理学のテクニックである「バーナム効果」をご紹介します。
バーナム効果
バーナム効果とは、誰にでも当てはまる内容を自分だけにあてはまると錯覚する現象のことです。
「あなたは悩みを抱えていますね?」
「あなたは自分に自信が持てていないのではないですか?」
占いをしてもらっている時点で誰にでも当てはまることですよね。
「A型の人は几帳面で、神経質に見られますが、実は意外とルーズでドジなところがあります」
「A型の特徴」ということによって、A型の人は「自分のことだ!当たっている!」とついつい思ってしまうことがあります。
そして、A型ではない別の血液型の人も、「いわれてみれば、あの人は几帳面なところがある!A型っぽさがある人だな」と信じてしまいます。
当てはまらない人がいたとしても、当てはまらなかったことはそれほど気にしないので、あまり記憶に残りません。
自分にとって都合のいい情報だけを集めたり、不都合な情報を無視したりすることを確証バイアスといいます。
バーナム効果は、この確証バイアスが引き起こされることで、相手のことを信用しやすくなってしまいます。
これは営業でも使えるテクニックです。
テクニックがあるということを分かっていれば、客観的に判断できると思いますので、理解しておくことは大事です。
占いは経験則・統計学的なもの
占いは統計かどうかという見解は専門家によって異なります。
ただ、占いが統計学ではないとの意見が多数です。
これまで説明したとおり、占いは「データの量と質」「データ化・数値化できない」という観点で統計学と証明できないからです。
「占いは経験則」「占いは統計的なもの」ととらえるのがいいでしょう。
占いはデータをもとにした統計学とは異なるスピリチュアルなものだと認識しておくといいでしょう。
占いは、私たちが生まれる何千年前からすでにあったもので、その歴史は統計学より古いです。
現代でも占いが存在するというのは、需要があるからです。
心配になった時は誰かに頼りたくなるときがあります。
誰かのアドバイスで心が晴れたり、前向きに行動ができるようになったりします。
そういうかたちで占いが活用されるのは問題ありません。
政治家やスポーツ選手も占いをもとに決断することもあるそうです。
ですが、誰か一人の意見に依存するのは危険です。
人生を変えるのは、すべては自分の行動です。一つ一つの選択が今の自分を築き上げています。
占いは選択肢の一つとして考えるのがいいでしょう。
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