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e-Statとは 概要や活用方法を分かりやすく解説

こんにちは!統計ブロガーのにっしーです!

今回は、e-Stat(政府統計の総合窓口)についてまとめてみました。

この記事を読むと、以下のことが分かるようになります!

  • e-Statとは何か?
  • e-Statの便利なところ
  • e-Statを活用した事例
是非最後まで楽しんで読んでいただければ幸いです!

e-Statとは

統計データを誰でも利用しやすいかたちで提供するために、政府統計に関する情報を一つのサイトにまとめた、政府統計のワンストップサービスです。

(HP:e-Stat 政府統計の総合窓口

統計データが必要になったとき、調べる際に『知りたい情報がどこの府省のページにあるか分からない!』と思ったことはありませんか?

とある情報について、関連する統計データが欲しくても、一つの府省が必要なデータの全てを網羅していることは基本的にありません。

だからといって、全ての府省のHPで検索するのは大変です。

検索エンジンで探しても、関係のないサイトがヒットしてしまい、欲しい情報がどこにあるか分かりにくいでしょう。

しかしe-Statのサイト内で検索すれば、各府省から提供された統計データだけがヒットするため、必要な情報を見つけやすいです。

また、e-Statは利用者の利便性を上げる目的で、データの表記方法について記入ルールを設けています。

最近まではデータ入力の統一ルールが無かったため、データベースとしては使いにくいファイルが多い傾向にありました。

そこで河野太郎衆議院議員が、統一ルールの策定をするために意見を募ろうと、2020年11月25日にTwitterで呼びかけています。

河野太郎Twitter

その結果、利用ユーザーから300件以上の意見があり、画像を交えた分かりやすいマニュアルができました。

統一ルールは2021年1月1日から、準備ができた府省から順次対応していくそうです。

統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルールの策定

e-Statから提供されている過去の統計データは、使いにくいものもある程度あります。

しかし現場の声を聞き入れ、統一ルールを策定した今後は、利用しやすいデータが増えることが期待できるでしょう。

e-Statの特徴

 e-Statの主な特徴は、以下になります。

  • 様々な形式で提供されている
  • ランキング機能がある

一つずつ見ていきましょう。

様々な形式で提供されている

e-Statに集約された統計データは、ファイル形式、データベース形式で提供されています。

ファイル形式には 

  • Excel
  • CSV
  • XML
  • PDF

があり、ほぼ全ての統計結果で提供されています。

データベース形式は、一部の統計結果でしか提供されていません。

ですが機能は豊富で、データ抽出やレイアウト変換、グラフ作成等が可能です。

ランキング機能がある

e-Statには、ランキング機能が設けられています。

利用者がどのようなキーワードで検索しているのか、細かく期間を決めて検索することが可能です。

世間がどのような統計データを求めていたか知れるので、当時の世界情勢を考えるためにも役立ちます。

e-Statを活用するメリット

 統計データを検索できるサイトはいくつかありますが、その中でe-Statを活用するメリットは以下の4つです。

  • ユーザ登録する必要がない
  • 無料で使える
  • 情報量が多い
  • 一次データが得られる

 一つずつ見ていきましょう。

ユーザ登録する必要がない

基本的な機能を使うだけなら、e-Statではユーザ登録をせずに利用できます。

ユーザ登録をすれば使える便利な機能があるので、気になる機能があればユーザ登録をするのをおすすめします。

ユーザ登録をして使える便利な機能は以下になります。

  • マイページ機能
  • 電子メールによる新着情報配信サービス
  • API機能
  • 地図で見る統計(jSTAT MAP)地理情報システム

無料で使える

e-Statを利用するのに、お金はかかりません。

政府が行っている公共サービスのため、無料で活用できます。

情報量が多い

各府省で提供されている統計データをまとめているため、情報量が多いです。

全てのデータセットは、1,636,946  件あります(2022/07/20時点)

一次データが得られる

e-Statに掲載されている統計データは、全て日本の行政機関が出したものです。

そのため、載っている情報は一次データとなっています。

信頼できる情報元として、事業でマーケティングをする時など、様々な場面で役に立ちます。

論文を書く際にも、出典(府省名、統計調査名)の記載があれば、参考文献として引  用が可能です。

e-Statの活用事例

e-StatのAPI機能を利用して作られたWebサイトやアプリケーションがあるので、ご紹介します。

ひなたGIS

宮崎県情報政策課が作成した、地理情報システムアプリケーションです。

e-Statから500Mメッシュ人口を取得し、活用しています。

(HP:https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/

ひなたGISには約5,000件の統計データやオープンデータが収録されており、とにかく情報の量が多いです。

2画面機能がついており、左右で別の地図を比較しながら分析することができます。

RESASの機能もついているため、自治体ごとに人口ピラミッドを表示することも可能です。

また、2017年に行われた内閣府主催のRESASアプリコンテストで、最優秀賞に選ばれています。

GEEO | あらゆる不動産の価格を算出

GEEOはAIを用いて、日本国内の不動産の価格を予測するWebサイトです。

e-Statから国勢調査のデータを取得し、活用しています。

(HP:https://geeo.otani.co/   

GEEOは専門知識が無い人でも直感的に扱えるよう、Googleマップ上にピンを落とすだけで時価を表示することが可能です。 

従来では不動産の時価が知りたい場合、不動産鑑定士に依頼したり、不動産をいくつも回る必要がありました。

しかしGEEOを利用することによって、大金や時間をかけずに不動産の時価を知ることができます。

無料版でも十分優秀なWebサイトですが、有料版だと建築年や間取り情報など、取得情報が大幅に増えて便利です。

マーケティングや不動産の調査をしたい場合など、十分に活用したい場合は有料版で利用すると良いでしょう。

また、2015年度グッドデザイン賞を受賞しています。

まとめ

今回はe-Stat(政府統計の総合窓口)の概要や利用するメリット、活用事例について紹介しました。

統計データはとても便利なため、活用できればさまざまな情報が入手可能です。

しかし実際の統計データは探しにくく、扱いが難しいケースも多々あります。

統計データを扱いやすくするために、e-Statではデータ入力の統一ルールが定められたので、これからは更に統計データが活用される未来が期待できそうです。

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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