統計学

演繹法と帰納法の違いとは それぞれの特徴や使い方とともに分かりやすく解説

こんにちは!統計ブロガーのにっしーです。

今回は演繹法と帰納法について紹介していきます。

この記事を読むとわかること

  • 演繹法について
  • 帰納法について
  • 演繹法と帰納法の違い

仕事をする上で、論理的に考えることはとても重要です。

しかし、そもそも論理的思考とはどのような思考法なのでしょう。

あらためて考えてみると、うまく説明できない人も多いのではないでしょうか。

論理的思考とは、演繹法や帰納法を用いて前提条件から結論を導き出す方法です。

では、演繹法や帰納法とは一体どのような手法なのでしょうか。今回はこの2つの推論方法を説明していきます。

是非最後まで楽しんで読んでください!

演繹法とは

まず、演繹法について説明します。

演繹法とは、一般的な法則や理論から具体的な結論を導く手法です。推論は基本的に大前提、小前提から結論を導く形式になっています。

では、具体例を見てみましょう。

  1. 犬は「ワン」と鳴く。(大前提)
  2. 私の飼い犬のポチは犬である。(小前提)
  3. 私の飼い犬のポチは「ワン」と鳴く。(結論)

1の大前提では、誰もが知っている事実を述べます。その後の2の小前提では個別の事実を述べます。

そして最後に、この2つの前提から3が結論づけられます。

このように、演繹法では三段階で推論が進むので、このような手法を特に三段論法と言います。

ビジネスの場面では、帰納法は、一般的な法則を自分の場合に適用するために使われます。そのため、これまでの経験から前例があるような課題に対して用いられます。

帰納法で得られた結論は最初の前提が正しい場合、必ず正しいです。しかし、一般的な法則から個別の事象を結論づけているので、何か新しい知見が増えるわけではありません。先ほどの例でいうと、私の飼い犬のポチが「ワン」と鳴くという結論はすでに、犬は「ワン」と鳴くという事実に含まれています。

また、最初の前提が間違っていれば、もちろん結論部分も正しいとは言えなくなるので注意が必要です。

以上のように、演繹法は一般的な法則から個別の事象を結論づけるための推論方法です。

帰納法とは

では、次に帰納法について説明していきます。

帰納法は複数の個別の事例から一般的な法則や理論を導き出す方法です。

では、具体例を見ていきます。

  1. 私の飼い猫のタマはかわいい。
  2. 友人Aの飼い猫のミケはかわいい。
  3. 友人Bの飼い猫のクロはかわいい。
  4. すべての猫はかわいい。

この例では、1~3の個別の事例から4の一般的な法則を導き出しています。

先ほどの演繹法と比べ、帰納法では新しい一般的な法則が結論づけられています。上の例では、「すべての猫はかわいい。」という一般的な法則が導かれています。このように、演繹法に比べて今までにない新しい結論を導けるのが帰納法の利点です。しかし、すべての事例を見たわけではないので、結論で出てきた一般的な法則が間違っている可能性も十分あります。上の例でもたった3匹の猫だけからすべての猫について結論づけるのはやや強引である印象を受けます。このような場合は、より多くの猫を観察して結論づけることが望まれます。

帰納法で得られた結論が正しいかどうかは、統計学的手法で判断され、このような手法を仮説検定といいます。

仮説検定では、結論が正しいかどうかは確率的に計算されます。例えば、上の例の場合「95%の確率ですべての猫はかわいいと結論できる」などと表現されます。

帰納法は特に正解がまだ見つかっていない課題に対して用いられます。例えば、会社で実施したアンケート結果から新たな新商品を開発するときなどに使われます。また、科学の理論の発展は帰納法で進みます。

以上のように、帰納法とは個別の事象から一般的な法則を導き出すための推論方法です。

演繹法と帰納法の違い

これまで、演繹法と帰納法を説明してきました。

それでは、演繹法と帰納法はどのような関係にあるのでしょうか

演繹法と帰納法の最も大きな違いは推論の方向です。演繹法は一般的な法則から個別の事象の結論を導き出すのに対し、帰納法は個別の事象から一般的な法則を導き出します。

また、それぞれの手法によって得られる結論の確実性も異なります。演繹法では前提が正しい場合、結論も正しく、その結論が覆ることはありません。実際に、数学の理論の証明はすべて演繹法が使われるので、1000年前、2000年前に証明された理論は現在も覆ることはありません。

一方、帰納法では個別の事象が偶然でない限り、一般的な法則は推測の範囲にとどまります。帰納法では前提とする現象がすべて正しいとしても、結論が100%正しいとは言えません。確率的に「何%の確率で正しいといえる」としか結論づけることができません。このときに、何%の確率で正しいといえるかは統計学の手法で計算されます。実際に、科学の世界の推論は基本的に帰納法で、天動説から地動説へのパラダイムシフトなどを筆頭に、これまで数々の理論が覆されてきました。

演繹法と帰納法の具体例

最後に、演繹法と帰納法をビジネスの場でどのように応用すればいいのかを説明します。

演繹法は過去の事実やデータを元にして考える方法であり、商品開発やマーケット参入時などで有効活用できます。

  1. 最近アウトドアが流行っている。
  2. 自社で新しくアウトドア商品の企画が予定されている。
  3. 現在のアウトドアのトレンドを元に新商品を開発する。

このように、一般的な現象から自社が行うべき戦略を考えるのが演繹法です。

一方、帰納法は複数の情報から結論を導き出すので、お客様満足度のアンケート結果の分析などに使われます。

  1. 新商品は女性客の満足度が高い。
  2. 一方、新商品は男性客からの満足度が低い。
  3. 新商品は男性客より女性客に人気である。

1、2の事例から3のような結論を導けます。このような結論を元に女性客に向けたマーケティング戦略を強化した方がいいのではないかなどのビジネスプランが考えられます。

以上のように、帰納法、演繹法を適切に利用することで、論理的にビジネス戦略を考えられるようになります。

まとめ

演繹法と帰納法について見てきました。

演繹法は一般的な法則から個別の事象を結論づけるための手法でした。また、帰納法は反対にそれぞれの事象から一般的な法則を推論する方法です。

演繹法と帰納法は考え方の方向が正反対の推論方法です。これらをしっかり理解して仕事でも活用できるようになりましょう。

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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