統計学

専門統計調査士とは 概要や2週間で取得した方法を分かりやすく解説

こんにちは、統計ブロガーのにっしーです!

先日、専門統計調査士を受験し、無事合格することができました!

そして、なんと優秀成績賞もいただけました!ありがたい!

ということで今回は、統計検定資格の一つである専門統計調査士についてご紹介していきます!

現在人気が高まっている資格の一つでもあり、またCBT受験可能になったことで、より受験者数も増えることが予想されます。

専門統計調査士の取得の判断材料に役立てていただけますと幸いです!

この記事を読むと分かること

  • 専門統計調査士とは
  • 専門統計調査士と一統計調査士の相違点
  • 専門統計調査士の難易度
  • 専門統計調査士合格のための勉強のポイント

専門統計調査士とは

専門統計調査士とは、一般社団法人日本統計学会が認定し、一般財団法人統計質保証推進協会が実施する統計検定の資格の一つです。

統計検定といえば1級から4級までの級で資格レベルが分かれていますが、専門統計調査士は級では表記されず独立した資格になっています。

専門統計調査士試験で問われるのは、以下のような知識です。

  • 調査の企画や管理
  • データの高度利用の業務に携わる上で必要な調査企画
  • 調査票作成
  • 標本設計
  • 調査の指導
  • 調査結果の集計・分析
  • データの利活用の手法

試験時間は90分で問題は40問程度、5肢選択問題です。

全体で65%以上正解すると合格となります。

参考)統計検定公式サイト:https://www.toukei-kentei.jp/exam/senmontyousa/

専門統計調査士に合格すると証明できる能力

専門統計調査士を取得することで、以下のようなスキルを証明することができます。

  • 統計検定2級合格程度の専門知識
  • 社会・経済で利用されている統計や調査データの作成過程、統計の利用上の注意点等に関する総合的な知識

また、会社にもよりますが、統計調査に関する業務を行う市場調査会社等では名刺に資格名を入れることも可能です。

実際、市場調査会社勤務の方で、名刺に専門統計調査士の資格名が入っているという方もいます。

専門統計調査士と統計調査士の相違点

「専門統計調査士」は「統計調査士」の上位資格です。

具体的には以下のような違いがあります。

統計調査士統計調査の実務を適切に行うための基礎的知識と業務遂行の技能を有すると認定された者に対して授与される資格
専門統計調査士統計調査の企画・設計、指導、集計・分析等の統計調査に関する業務管理・運営を担う専門的知識と能力を有すると認定された者に対して授与される資格

また、統計調査士は試験に合格すれば授与されますが、専門統計調査士の授与は統計調査士の合格が必要条件になります。

専門統計調査士は、同じく統計検定の資格の一つである統計調査士試験の合格者であることが資格認定条件であり、専門統計調査士試験の受検前または合格後5年以内に統計調査士試験に合格することが求められています。

専門統計調査士試験ならではの問題

統計知識問題では、調査企画における工程別の品質管理や監査(インスペクション)、業務委託や受託する上での注意点がよく問われます。

また、調査手法等に関する知識(例えば、量的調査・質的調査(定性調査)の特徴等)についても、統計調査士試験よりも踏み込んだ内容が出題されます。

計算問題が出題されるデータの利活用編では、多変量解析の理解と結果の解釈(回帰分析、主成分分析、因子分析、クラスター分析)、信頼区間、仮説検定等が専門統計調査士ならではの問題群になります。

専門統計調査士の難易度

過去5年分の専門統計調査士の、合格率は以下の表の通りです。

受験者数合格者数合格率
2017年27212044.1%
2018年3238726.9%
2019年43314433.3%
2020年(試験中止)
2021年741925.7%

平均すると、だいたい3割程度の合格率なので、決して簡単な試験ではないと思います。

しかし、私自身の経験では、出題される問題群のポイントを押さえて勉強を続けていれば十分合格できる試験だと思っています。

また実際に受検して感じたこととして、統計検定2級レベルの計算問題は出てくるものの、試験問題の大多数を占めるほどは出題されないということです。

そのかわり、統計調査に関する知識問題が多く出題されますので、一つ一つしっかり覚えることが重要です。

文系の自分からすると、統計検定2級の方が計算問題が多いので難しく感じ、一方で覚えることである程度点数が稼げる専門統計調査士の方が難易度は低いように感じました!

高校~大学基礎課程レベルの数学知識が必要

専門統計調査士の試験では、相関係数や回帰式、信頼区間、仮説検定等の高校~大学基礎課程レベルの数学知識が必要になります。

私も文系出身ということもあり、試験勉強をするまでは数学に苦手意識がありました。

しかし、試験対策をしていくうちに専門統計調査士試験に出題される数学レベルはそこまで難しいものではないことを肌で感じ、数学知識が必要となる計算問題を解くことへの抵抗感はなくなりました。

統計学と数学は密接につながっています。

文系出身の方は、まずなるべく3級レベルからしっかり解けるように対策し、そのなかで数学に対する免疫もつけておきましょう。

専門統計調査士合格のための勉強のポイント

専門統計調査士合格のためにオススメの勉強の流れは以下の通りです。

私自身、以下の方法で2週間ほどの対策で合格することが出来ました。

オススメの勉強の流れ

  1. 過去問を何度も解く
  2. 間違えた問題の解説を読み込む
  3. 理解が及ばない計算問題は類似問題を解いてみる
  4. 知識問題は分かりやすい内容のテキストを読んでみる
  5. ある程度知識を身につけたら、時間を測って解いてみる

まずはとにかく過去問を解いて、問題に慣れることが重要です。

統計調査に関する暗記問題と計算問題を重点的に対策

専門統計調査士試験では、大きく分けて統計調査全般に関する知識問題と、データ利活用に関する計算問題の2パターンの問題群が出題されます。

どちらも専門統計調査士試験ならではの出題形式ですので、まずは試験形式に慣れるためにも過去問を解いてみましょう。

「いきなり過去問から解くの!?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、参考書等で専門統計調査士試験の全範囲をカバーするのはとても時間がかかります。最初は分からないことが多いと思いますが、まずは練習だと思って過去問を解いてみましょう。

試験対策をするにあたって、下記の過去問集は必須といっても過言ではありませんので、まだ持っていない方はまず入手するところから始めましょう!


実際に過去問を解いていくことで、どのような内容が出題されるのかを体感することができます。

そして、間違えた問題については必ず解説を読み込んでみてください。

また、一度読んだだけでは内容を理解できない解説については繰り返し読み込んで、具体的にどの部分が分からないのか把握してみましょう。

知識不足の部分については後述するWebサイトや書籍で調べ覚えることで、確実に試験合格のための知識が身についていきます。

何度解説を読んでも理解が及ばない計算問題については類似問題を解いてみましょう。

下記のWebサイトは、専門統計調査士試験の範囲でもある相関係数や標準誤差等の類似問題が掲載されております

解説も分かりやすく丁寧ですので、何度も解いて理解を深めていきましょう。

統計WEB「統計学の時間」
https://bellcurve.jp/statistics/course/

また、統計調査全般についての知識問題は下記の書籍が分かりやすく、頭に入りやすいです。

統計知識についてイチから学ぶことができ、しかも漫画付きで解説されています。

また、統計を身近に感じることができる1冊ですので、知識問題に苦手意識のある方はぜひ手に取ってみてください!

ある程度知識が蓄積されてきたら、再度過去問を解いてみましょう。最初に解いた時よりもスムーズに問題に取り組むことができると思います。

また、試験問題に慣れてきたら実際の試験時間である90分間で全問解き切ってみましょう。

出題数は約40問ですので、単純計算で2分半ほどしか1問にかけることができません。

試験時間を意識しながら過去問に取り組むことで、専門統計調査士試験の合格にグッと近づくことができるはずです。

また、独学での対策に自信がない方は、以下のようなデータ分析のスクールに通ってみるのもオススメです。

まとめ

本記事では、専門統計調査士の概要、専門統計調査士と一統計調査士の相違点、専門統計調査士の難易度、専門統計調査士合格のための勉強のポイントについて解説しました。

統計調査全般の知識に加えて、統計に関する計算問題が解けるようになることが専門統計調査士試験合格のポイントです。

「専門的な統計知識があることを対外的に証明したい」「統計調査士を取得したものの、統計調査についてまだまだ詳しくなりたい」という方は、ぜひ専門統計調査士を受検して合格を目指してみてください!

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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