統計学

QC検定とは 試験概要や難易度を分かりやすく解説

近年では、品質管理のためにQC検定の取得を推奨する企業が増えています。

QC検定という資格名は聞いたことはあるけれど、

「いったいQC検定ってどんな資格なの?」

「難易度や取得にかかる期間はどのくらい?」

「取得することでどんなメリットがあるのか分からない。。」

このような疑問を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。

当記事ではこのような疑問を解決します。

QC検定は社会人として働くうえで、さまざまな場面で役にたつ資格です。

ぜひ当記事でQC検定についての理解を深めてください!

QC検定とは

まずは、QC検定の概要を説明していきます。

QC検定の概要

QC検定のQCは「Quality Control」で品質管理を意味することから、「品質管理検定」とも言われ、日本規格協会が検定を実施しています。

検定では名前の通り、品質管理に関する知識が問われます。

品質管理と聞くと、製造業のイメージが強い方も多いかと思いますが、接客サービスなどの品質管理も該当してくるため、幅広い職場で利用できる資格です。

QC検定の試験情報

QC検定試験は4段階あり、それぞれの試験情報は以下の通りです。

1級2級3級4級
出題形式マークシート・論文マークシートマークシートマークシート
試験時間マークシート(90分)・論文(30分)90分間90分間90分間
合格率4%23%50%85%
勉強時間目安300時間程度200時間程度100時間程度50時間程度

当然のことですが、級が上がるごとに難易度が増すため勉強時間が増え、合格率は低下します。

また、QC検定1級には、マークシートだけでなく論文の試験も追加されます。

各級の違い

ここでは各級の対象となる方の目安を紹介します。

QC検定4級の特徴

これから企業で働く予定の方や、派遣社員の方、学生などで品質管理の基礎や活動を理解し、改善活動を行う上で最低限理解しておきたい仕事の進め方や品質管理用語が習得できます。

また、品質管理知識だけでなくビジネスマナーについても学べ、問題集や参考書なしでも受験対策可能です。

QC検定3級の特徴

1級~4級あるQC検定の中で最も受験者が多いです。

品質管理における基本的な知識はもちろん、実際の仕事で使えるスキルも身に付きます。

QC七つ道具の作成および活用方法を理解し、基本的な改善方法を教えられる程度の知識があれば試験も問題なく合格できるでしょう。

QC検定2級の特徴

2級になると、3級に比べ大きく難易度が上がります。

2級では、職場で起こる品質問題を、新旧七つ道具を活用し解決するスキルが必要です。

なかでも統計分野の知識を問う問題が多く出題されるため、統計検定2級程度の知識も必要です。

2級レベルの品質管理が行える場合、職場で指示をするリーダー的な立場を担う事もありますので、業務範囲も大きく広がります。

QC検定1級の特徴

1級も、2級に比べ大きく難易度が上がり、品質管理の経験者でもかなり難しい試験といわれています。

先ほども解説しましたが、1級は他の級と違い1次試験と2次試験の試験構成です。

組織の中で発生する様々な品質管理問題に対し、どの手法を活用しどんな手順で解決するかといった計画を主体的に立てられるスキルが求められます。

また、合格証は発行されませんが、1次試験のみ合格した場合は「準1級」と認められます。

QC検定が注目されている理由

QC検定が注目されている理由は、一定の品質基準を満たし社会からの信頼性を守るためです。

社会に提供する製品に不良品が見つかった場合、大きな事故や消費者に被害が及んでしまうと大きな損失につながるだけでなく、社会的な信用を失う可能性があります。

そのような事態を招かないためにも、企業には不良品が発生した理由や工程を分析し改善する能力が求められます。

多くの製造員が働く製造現場では、1人1人が同じ意識で取り組むことが必要なため、多くの職場でQC検定が注目されています。

QC検定を取得するメリット

QC検定を取得するメリットには、大きく分けると以下2つがあります。

  • 段階的に品質管理に関する知識が身につく
  • キャリアアップに役立つ

それぞれ解説します。

段階的に品質管理に関する知識が身につく

ここまでの解説で分かるように、QC検定では受験者の品質管理に関するレベル別で1級~4級まで4段階に分けられています。

これまで品質管理に関する知識は、仕事をする中で身に付けるものとされていましたが、QC検定を活用することで、初心者の方でも段階的に品質管理知識の習得が可能です。

キャリアップに役立つ

「QC検定が注目されている理由」でも解説しましたが、近年では多くの企業でQC検定の取得が推奨されています。

そのため、QC検定を取得し品質管理に関する知識を持った人材は企業から必要とされ、特に1級や2級といった資格所有者は組織にとって重要な人材であるため、就職や転職時に有利になる可能性が高いです。

また、こういった資格を持っていると、任される仕事も増え、それに伴い品質管理に関するさまざまな業務経験もつめるため、社内での評価アップにもつながります。

このようにQC検定は、今現在品質管理の仕事をしている人はもちろん、転職を考えている方、今後品質管理に関する仕事に就きたい方など、幅広い方々にとって役に立つ資格の一つです。

QC検定を生かせる仕事

ここからは、QC検定で学んだ内容を生かすことができる仕事をご紹介します。

製造業

製造業では不良品を発生させず、より高品質な製品やサービスを提供されることが求められるため、品質管理知識は必須です。

その他

ホテルなどのサービス業、物流、販売などでも、よりよい製品およびサービスを提供する為に品質管理知識は必要です。

また、企画開発やマーケティングでも、自社の取り組みと結果から業務の質を管理でき、効率アップにつなげることができます。

まとめ

ここまでQC検定の概要や試験情報、各級の違い、メリットなどについて詳しく解説してきました。

すべての職種で、より高品質な製品やサービスが求められ、品質管理に関する知識を持った人材が社内外で求められています。

この記事でQC検定の必要性について理解を深め、自身の職場に活用できたり、資格を取得し有利に転職活動が行えたりする方が増えますと嬉しいです。

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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