データ分析 統計学

コンジョイント分析とは 分析方法やビジネスにおける活用事例を分かりやすく解説

こんにちは。統計ブロガーのにっしーです!

今回はコンジョイント分析についてご紹介いきたいと思います!

この記事を読むと分かること

  • コンジョイント分析とは
  • コンジョイント分析の手順
  • コンジョイント分析のメリット・デメリット

是非最後まで楽しんで読んでください!

コンジョイント分析とは

コンジョイント分析は、サービスや商品を開発したり企画したりするときに使われる分析手法です。

具体的には、サービスや商品の、どの要素がユーザの購買に影響を与えているのかを定量的に把握するための手法です。

たとえば、あなたが商品開発を行っているとしましょう。

新しい商品を開発する際、どのようにコンセプトを考えますか?

商品のコンセプトは、商品の性能や価格、外観、使用感など様々な要素から構成されています。

このように複数の要素があるなかでコンセプトを決めるためには、まずはユーザーが何を重視しているのかを把握することが重要になってきます。

ここで活躍するのが「コンジョイント分析」です。

コンジョイント分析は、商品全体のどの要素がどの程度「ユーザーがいいね!買いたい!」という気持ちに影響を与えているのか分析できる分析手法です。分析の結果、数字で影響度を確認することができます。

そうすることで、どの要素を優先すべきかを把握することにつながり、最適なコンセプトの設定を行うことができます。

コンジョイント分析の方法と活用事例

ここからは、具体的なコンジョイント分析の分析手順について解説します。

具体的な分析方法をご紹介するにあたって、たとえば以下のような例で考えてみます。

◆目的:新しい炊飯器を開発するにあたり、最適なコンセプト設定を行うため重要な要素を探す。

要素

  • デザイン:A(おしゃれ)、B(普通)
  • 価格:6,000円、9,000円、10,000円、12,000円、14,000円、24,000円
  • 加熱方式:マイコン、IH、圧力IH(右にいくにつれて美味しく炊ける)

手順①:表を作る

まずはじめに、要素を組み合わせたパターン表を作成します。

これらのパターンの中で、どの組み合わせが良いのか、どの要素がユーザーに買いたい!と思わせているのかを分析していきます。

パターンデザイン価格加熱方式
1A24,000円圧力IH
2B6,000円マイコン
3B9,000円IH
4A10,000円マイコン
5B12,000円圧力IH
6A14,000円IH

手順②:ユーザーにアンケートをとる

理想の炊飯器は、全ての要素が良いもの(デザイン:A、価格:安い、加熱方式:圧力IH)です。

ただ、実際は価格が高すぎて買えずに、他の要素を妥協したり、メーカーは絶対Aなど、人それぞれの選択があります。

その選択を把握するため、上記の表より。どのパターンが買いたいと思われるのか、ユーザーにアンケートを取り順位をつけてもらいます。

手順③:分析する

アンケート結果をもとにコンジョイント分析を行うと、以下のような結果が得られました。

※本データはダミーです。ここでは詳細な分析方法は省略します。

プロットの位置が高いほど、ユーザーが買いたい!と思う気持ちに影響を与えていることを示しています。

この結果から、高い要素を組み合わせることで、新しい炊飯器のコンセプト設定のための情報が得られます。

たとえば、デザインはおしゃれなAが好まれています。

価格は安い方が高く、12,000円を超えると、下がり幅が大きくなっています。

加熱方式はIH、圧力IHが好まれている傾向にあります。

3要素を比較すると、価格、加熱方式、メーカーの順で影響度が大きいです。

上記より、価格12,000円以下で実現できる、おしゃれなデザイン、IHまたは圧力IHの炊飯器がユーザーにとって最も好まれると考えられます。

コンジョイント分析のメリット・デメリット(注意点)

コンジョイント分析は、炊飯器の事例のように、商品開発などにおいて活躍する分析です。

ただ、メリットとデメリットも存在するため、事前にその内容も把握した上で使用する必要があります。

メリット

コンジョイント分析のメリットは以下の通りです。

①ユーザーが重視する要素がわかる

メリットの一つ目は、要素が複数存在する中で、ユーザーが何を重視しているのかわかることです。

コンジョイント分析は、ユーザーへの各要素の影響度が定量的に把握できるため、何を重視しているのか(優先順位)がわかります。

②ユーザーが好むパターン(要素の組合せ)が分かる

メリットの二つ目は、要素単独ではなく、組合せた場合のユーザーの好みがわかることです。

実際に商品を購入する際、機能が最も優れた商品が良いですが、価格の問題で買えない場合もあると思います。

そのような場合に何を妥協するのか、どんなパターンをユーザーが好むのか、コンジョイント分析では把握できます。

デメリット(注意点)

コンジョイント分析のデメリットは以下の通りです。

①ユーザーにより評価は異なる

デメリットの一つ目は、ユーザーにより評価が異なり、分析結果に影響を与えることです。

当然ですが、ユーザーによって評価の内容も異なります。

商品を全く必要としていない人や、商品を買ってほしい年代や性別ではない場合などは、分析結果の信頼度に影響を与えてしまう可能性があります。

②パターンの設定次第で分析結果が異なる

デメリットの二つ目は、パターンの設定が適切ではない場合、正確な分析結果が得られない可能性があることです。

価格を極端に安く設定したり、各パターンで価格差が大き過ぎる場合、他の要素を置き去りに価格ベースで購入を決めてしまう可能性があります。

そのため、現実的な要素、組合せで設定する必要があります。

まとめ

本記事では、コンジョイント分析の方法と活用事例について解説しました。

分析方法は複雑ですが、商品開発のコンセプトなどを検討するにあたってとても役に立ちます。

ぜひ商品やサービスを開発する際にコンジョイント分析を活用してみてください!

(参考記事一覧)

・コンジョイント分析の事例を使ってメリットや注意点を解説(docomo business NTTコム オンライン)
https://www.nttcoms.com/service/research/dataanalysis/conjoint-analysis/#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E5%88%86%E6%9E%90%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85%E3%81%AE%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E6%84%8F%E6%80%9D,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

・コンジョイント分析とは?用途や使い方、分析手順を解説!(GMO RESEARCH)
https://gmo-research.jp/research-column/conjoint-analysis

・コンジョイント分析(MACROMILL)
https://www.macromill.com/service/data_analysis/d012.html

・コンジョイント分析(CBR 消費者行動研究所)
https://cbr.co.jp/special_purpose_conjoint-analysis.html

・コンジョイント分析とは?活用方法ややり方について解説(ロボット導入.com)
https://www.robot-befriend.com/blog/conjoint-analysis/

・コンジョイント分析のやり方|活用方法や手順を例を交えて解説(Freeasy)
https://freeasy24.research-plus.net/blog/c175

・コンジョイント分析とは?考え方から手順までわかりやすく解説(ASMARQ)
https://www.asmarq.co.jp/column/glossary/conjoint-_analysis/

・コンジョイント分析とは?メリット・デメリット、経営への活かし方を紹介(THE OWNER)
https://the-owner.jp/archives/5042

・コンジョイント分析の概要と実施時の注意点(Quest)
https://quest-research.co.jp/research/conjoint-analysis

・コンジョイント分析とは(Albert)
https://www.albert2005.co.jp/knowledge/statistics_analysis/multivariate_analysis/conjoint

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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