F検定とは
2つのグループの分散に差があるかどうかを調べます。
F検定を行った結果で求めたP値をもとに分散に差があるかどうかを判断します。
F検定を行う方法
Excelの関数であるF.TEST関数を使用してF検定を行います。
これからF.TEST関数を使用して検定する3つの方法を説明します。
例として、ある商品の性別による満足度の分散に差があるかどうかについて、F検定を行います。
1つ目の方法は、セルに直接、関数を手入力する方法です。
①セルにカーソルがある状態で、「=f」と入力すると、Fから始まる関数の一覧がプルダウンで表示されます。
②下矢印で「TEST」までフォーカスを移動させ、Tabキーを押します。
③TEST関数で比較するデータの入力待ち状態となります。
④セルの範囲選択を使用して、男性の満足度のデータを入力します。
⑤データを区切るため、「,」を入力します。
⑥セルの範囲選択を使用して、女性の満足度のデータを入力し、Enterキーを押します。
⑦F検定で判断に使用するP値が表示されます。
2つ目の方法は、関数を挿入する方法です。
①セルが選択されている状態で、fxボタンをクリックします。
②関数の挿入画面が表示されます。
③関数の検索欄に、「F」と入力し、検索開始(G)ボタンをクリックします。
④検索結果の関数名からTEST関数を選択し、OKボタンをクリックします。
⑤関数の引数画面が表示されます。
⑥配列1にセルの範囲選択を使用して、男性の満足度のデータを入力します。
⑦配列2に女性の満足度のデータを入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑧セルの範囲選択を使用して、女性の満足度のデータを入力後、範囲選択ボタンをクリックします。
⑨OKボタンをクリックします。
⑩F検定で判断に使用するP値が表示されます。
3つ目の方法は、数式タブから関数を入力する方法です。
①セルが選択されている状態で、数式タブのその他の関数の中にある統計のTEST関数を選択します。
②関数の引数画面が表示されます。
③配列1にセルの範囲選択を使用して、男性の満足度のデータを入力します。
④配列2に女性の満足度のデータを入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑤セルの範囲選択を使用して、女性の満足度のデータを入力後、範囲選択ボタンをクリックします。
⑥OKボタンをクリックします。
⑦F検定で判断に使用するP値が表示されます。
以上の3つの方法で、F.TEST関数によるF検定により、P値を求めることができます。
P値は「0.341455」です。
P値が0.05以下であれば、分散に差がないといわれています。
今回の結果は、0.05以上であるため、「ある商品の性別による満足度の分散に差がある」ということになります。
次に、Excelの分析ツールを使用して、F検定を行う方法を説明します。
Excelの分析ツールを使用して、F検定を行います。
分析ツールを使用する前に、Excelの分析ツールが使用できるように設定します。
①Excelを起動し、オプションをクリックします。
②アドインを選択して、管理(A):に「Excel アドイン」を設定し、設定(G) ...ボタンをクリックします。
③アドイン画面が表示されますので、分析ツールにチェックをつけ、OKボタンをクリックします。
④データタブをクリックし、データ分析が追加されていることを確認します。
データ分析が追加されていれば、データ分析ツールの準備は完了です。
Excelの分析ツールを使用したF検定の方法を説明します。
例として、ある商品の性別による満足度の分散に差があるかどうかについて、F検定を行います。
①データタブからデータ分析をクリックします。
②データ分析画面が表示されますので、「F検定: 2標本を使った分散の検定」を選択し、OKボタンをクリックします。
③F検定: 2標本を使った分散の検定画面が表示されます。
項目名 | 説明 |
変数1の入力範囲(1) | 比較するデータを範囲選択します。 |
変数2の入力範囲(2) | 比較するデータを範囲選択します。 |
ラベル(L) | データの範囲を選択した際、先頭行の項目名も範囲選択した場合に、チェックを入れます。 チェックを入れ忘れた場合は、以下のようなエラーメッセージが表示されます。 |
α(A) | 有意水準を指定します。初期値は、「0.05」です。 |
出力先(O) | 同じシート内に検定結果を出力する場合に、チェックを入れます。 検定結果を出力する先頭行のセルを指定します。 |
新規ワークシート(P) | 検定結果を新しいワークシートに出力する場合に、チェックを入れます。 |
新規ブック(W) | 検定結果を新しいブックに出力する場合に、チェックを入れます。 |
④変数1の入力範囲にセルの範囲選択を使用して、男性の満足度のデータを入力します。
⑤変数2の入力範囲に女性の満足度のデータを入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑥セルの範囲選択を使用して、女性の満足度のデータを入力後、範囲選択ボタンをクリックします。
⑦条件を設定して、OKボタンをクリックします。
⑧F検定結果が表示されます。
P値は「0.170727」です。
今回のP値は片側検定の値で、両側検定の値にするために、倍にします。
倍にしたP値は「0.341454」となります。
P値が0.05以下であれば、分散に差がないといわれています。
今回の結果は、0.05以上であるため、「ある商品の性別による満足度の分散に差がある」ということになります。
以上で、Excelの分析ツールを使用した説明は終わりです。
まとめ
F検定は、新商品と現行商品の売り上げを比較して、新商品の売り上げを検証することもできます。
その他に、F検定により等分散かどうかを検定したうえで、等分散であるかないかで使用するT検定の使い分けを行います。
F検定は、T検定を行ううえで重要な役割を担っていますので、F検定を使いこなせるようにしましょう。