いきなりですが、皆さんはデータを正しく活用できていますか?
もしデータを活用できていない方がおられましたら、すごくもったいないので、是非本記事を読んで是非活用イメージを考えてみてください!
データを正しく活用することができれば、課題や顧客ニーズも見えてきて、売上アップにつなげられるようになります。
でも、具体的にどのようにデータを活用すればいいのかわからないという方もおられるかと思います。
そこで今回は、ビッグデータ活用の参考になる企業様の事例をご紹介します。
きっと参考になる事例もあると思うので、最後まで読んでみてください!
この記事を読むと分かること
- ビジネスにおける統計データの活用事例
データ活用事例①スシロー ICチップ導入でフードロス削減
日本625店舗、韓国やシンガポールなど海外に64店舗を展開している(2021年12月現在)回転すしチェーン「スシロー」。
皿に取り付けたICチップを、レーンに隠したICリーダーで読み取り、年間約10億件規模のデータを集めています。
このデータをフードロス削減やネタの鮮度管理などに活用。
皿から集めたすしネタの人気度をもとに、材料の発注数を調整することで食品の廃棄量を減らせます。
フードロスを削減することで、利益率の向上につながっているのです。
さらに、ICリーダーが読み取った回数をもとに、握ってから時間がたったと判断したものはレーンから取り除いています。
ネタの鮮度を管理することで、安心して提供できる環境も整えているのです。
参考:皿から10億件の情報収集 スシローが「データ活用すし屋」になっていた
データ活用事例②ダイドードリンコ 人の視線を解析するアイトラッキング活用
自販機台数の業界シェア3位、売上の8割が自販機という同業他社とは一線を画す「ダイドードリンコ」。
人の視線を追いかけるアイトラッキング技術を分析に取り入れ、適正に商品を配置することで売上が3割増になりました。
Zの法則はご存知でしょうか。チラシやコンビニの棚などを見る時に視線を左上→右上→左下→右下と「Z」の字に動かしていくものです。
ダイドードリンコもZの法則に従い、主力商品を左上に配置。
しかし、アイトラッキングによる調査の結果、自動販売機に限っては左下から徐々に上がっていくことが分かりました。
商品配置以外にも分析によって、以下の傾向も見出しています。
・自販機には色を付けた方が消費者の目に入りやすい
・缶コーヒーなどの商品パッケージからキャッチコピーを省き、商品ロゴを大きくする
長年の慣習を検証してみると、大きな売上アップの可能性があるかもしれません。
データ活用事例③資生堂 セグメントを細分化し顧客ニーズに答える
創業以来100年以上にわたり日本の化粧品技術と文化をリードしてきた「資生堂」。
資生堂では自社が運営する総合美容サイト「ワタシプラス」で顧客データの分析を行っています。
ウエブ接客プラットフォーム「KARTE」の導入し、より顧客ニーズに合わせた提案やコミュニケーションを図っています。
具体的に、まだ会員登録をしていないビジターユーザーと既に会員となっているメンバーユーザーに対して、クーポンを送るタイミングなどを細かく分けた施策を実施。
これにより商品購入率が約2.5倍になりました。
参考:ウェブ接客プラットフォーム「KARTE」が資生堂の「ワタシプラス」に導入
データ活用事例④楽天 レコメンド機能を強化して売上アップ
Eコマース、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信など様々なサービスを展開している「楽天グループ」。
楽天グループでは約50ある事業活動のデータを集約して、データアナリストが商品分析しています。
ビッグデータの活用として力を入れているのが「レコメンド機能」。
楽天市場で売れ筋商品ランキングの更新頻度の短縮と、ジャンルの細分化を試みて大きな成果をあげています。
・ランキングに掲載される頻度が高い商品ほど売上が伸びる
・ジャンルが細かいほど関連商品の売上が伸び、全体の売上も伸びる
また、ビッグデータで誤分類商品を検知し、正しい商品ジャンルに自動で直すだけで顧客のストレスは減り、売上が伸びた事例もあります。
参考:楽天の執行役員がビッグデータでEこーますの売上を急伸させた秘策を公開
データ活用事例⑤食べチョク データドリブン農業の構築を目指す
生産者から食材を直接購入できるオンラインマルシェ「食べチョク」(運営:株式会社ビビッドガーデン)。
5000軒以上の生産者が登録する食べチョクには生産者の食材ごとに顧客からの評価(口コミ)が蓄積されています。
食べチョクのサポートで、売上が前年比120%超えの実績あり。
新たな取り組みとして、畑から取得した土壌や空気、日照量のデータを受信機を経由してウェブに記録し、アプリ上にて見える化を進めています。
データを参照することで、あらかじめ収入を予測できる「データドリブン農業」の構築を目指しています。
データ活用事例⑥グッディ データ分析により営業方針決定を迅速化
九州北部や山口県を中心64店舗(2021年現在)のホームセンターを展開している「グッデイ」。
BIツールを導入し、POSデータや社内のさまざまなデータの可視化に取り組んでいます。
コロナ禍では「密な状態を避けるには来店客数のピークを下げる必要がある」と時間帯別の顧客数のデータで分かったのです。
多くの小売店が営業自粛や時短営業する中、グッデイでは営業時間を通常通りに営業する決定をしました。
この意思決定にはPOSデータに加え、感染者数などのオープンデータやGoogle公表の人の移動状況のデータを組み合わせています。
このように判断が難しいイレギュラーな状況でも、データを活用することで、迅速に適正な判断ができるのです。
参考:感染者数や来店客数のデータをTableauで分析、その結果にもとづき通常営業の継続を決断
データ活用事例⑦大阪ガス 修理に必要な部品を蓄積データから割り出す
データ分析に注目する企業が少ない90年代から、いち早くデータ分析と向き合ってきた「大阪ガス」。
大阪ガスは、顧客のガス設備の稼働データ(使用年数、毎日のガス使用量、よく使う時間帯など)を蓄積しています。
コールセンターに連絡が入ると、下記の情報から故障原因を探ります。
・顧客が使用している機器の状況
・過去数百万件にわたる修理履歴や機器の型番データ
そして、可能性が高い順に5つほど部品が自動抽出され、一度の訪問で修理をすませられるようにシステム化されています。
修理作業員の業務効率改善や顧客満足度にもデータが貢献しています。
データ活用事例⑧城崎温泉 観光客のニーズをつかみ売上増
兵庫県北部にある外湯めぐりで有名な「城崎温泉」。
城崎温泉では「ゆめぱ」というデジタル外湯券を発行し、回遊している観光客の数、グループ構成、滞留経路分析などのデータを集めています。
温泉街の街づくりやサービス、広報のやり方などをデータに基づき改善しています。
たとえば、花火など観光客が立ち止まって楽しむイベントよりも、灯篭流しなど観光客が街を歩くイベントの方がお店の売上に貢献することが分かりました。
城崎温泉ではデータ活用により温泉街を活性化するという改革を着実に進めています。
データ活用事例⑨カイエンシステム開発 タクシー乗務員用アプリで業務効率化
パッケージソフトの開発・販売を行っている「カイエンシステム開発」。
タクシー乗務員向けに実車実績データを活用した「ポケットタクシー」というサービスを提供しています。
GPS対応電子日報で蓄積された乗務員全員の過去の乗車位置を、月・曜日・時間帯別に地図上に表示。
定期的に長距離移動される顧客の乗車曜日、時間帯、位置を登録することで、上客への攻めの営業を支援することもできます。
データを活用することで、今までの経験と勘に頼っていた流し営業、つけ待ち営業のポイントを共有でき、配車係の人件費を削減もできます。
データ活用事例⑩匠テック AIによるマグロの品質判定システム
人工知能(AI)をはじめとした技術を活用して継承する取り組み「プロジェクト 匠テック」。
マグロの品質判定は、尾部断面の目視による「尾切り検品」を行っており、マグロ仲買人として一人前になるまで10年は必要といわれています。
そこでマグロの尾部断面写真と、職人の4〜5段階の品質評価の結果を紐づけて尾切り検品のデータを取得。
ディープラーニングによる画像解析を行うためのシステムを構築することで、職人と85%の一致度で品質判定に成功しました。
膨大な教師データの収集、ディープラーニングを活用した画像解析技術によって、貴重な技能を後世に継承を実現させています。
参考:ISIDと電通、職人の能力をAIで継承する「プロジェクト匠テック」を開始
まとめ
今回は活用事例10選ということで、様々なビッグデータの活用事例をご紹介しました。
いまだKKD(勘・経験・度胸)に基づいて経営されている会社も多いです。
しかし、今回ご紹介した例のように、定量化したデータを意思決定に使うことで、経験則に頼らず、迅速で適正な判断ができます。
課題解決のためにビッグデータの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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