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平均寿命と所得の関連について 統計データをもとに分かりやすく解説

こんにちは。統計ブロガーのにっしーです!

今回は平均寿命と所得の関連性についてご紹介いきたいと思います!

この記事を読むと分かること

  • 平均寿命と所得には関連について
  • 平均寿命と所得の関連性を示すデータはあるのか

是非最後まで楽しんで読んでください!

平均寿命とは

平均寿命とは、各年に生まれてくる赤ちゃんが「今後何年生きられるのか」を期待値を含めて計算します。そのため平均ではなく、期待値の数値です。

平均寿命というと「今生きている私達が」何歳まで生きられるかの寿命ではないのです。

その点を勘違いされている方が多いのではないでしょうか。

例えば、平均寿命が85歳だとしても「あなたはこの先85歳まで生きられる」ということではなく、その年に生まれた赤ちゃんが生きていける寿命です。

ちなみに0歳児の平均余命の計算方法は、年齢ごとに生きている人と亡くなった人の人数を調べて、各年齢の死亡率を調べます。

死亡率を使って10万人の0歳児が何歳まで生きられるのかシミュレーションしています。

平均寿命と所得の関係について

まず結論から述べると、平均寿命と所得の関係性を直接的に表すデータは見つかりませんでした。

一方で、平均寿命と居住地域では相関があるというデータがありました。

イギリスの統計学者「カール・ピアソン」が発表した地域の特徴と寿命との相関:貧困層」というデータです。

このデータによると、収入が低くても富裕層が多く住んでいる地域は寿命が長くなっているということが分かります。

その他、アメリカでもカール・ピアソンのデータを裏付ける統計が発表されています。

下記は、格差の大きい都市として、ニューヨークとサンフランシスコ、格差の小さい都市としてダラスとデトロイトの合計4つの都市を比較した図です。

出典:「収入の格差」が健康に悪いのか?それとも「貧困」が悪いのか? – 医療政策学×医療経済学 (healthpolicyhealthecon.com)

お金持ち(グラフ右側)であれば、どの都市に住んでいても寿命はほとんど変わりません。

しかし、貧困層(グラフ左側)は、格差の大きいニューヨーク・サンフランシスコに住んでいる人の方が、格差の小さいダラス・デトロイトに住んでいる人よりも寿命が長いという結果がでました。

2つのデータから、低所得だったとしても富裕層の地域に住んでいると長生きしやすいことが分かりました。

富裕層の高い税金が、同じ地域に住む貧困層への住居や食料などの支援に反映され、幸福度も高まり寿命が長くなっているのではないかと考えられます。

所得自体が直接寿命に影響しているわけではありませんが、地域と寿命で関連性があることを考えると、間接的な影響を与えている可能性も否定できません。

所得が少ないと寿命が短いと思われる理由

今回直接的な所得と寿命の関連性は分かりませんでしたが、お金持ちの方が貧乏な人よりも寿命が短いと思われることもあるかと思います。

ではなぜ収入が少ないと、寿命の短さにつながると考えられるのか、その理由は以下が考えられます。

  1. 物質的な制限
  2. ストレス
  3. 生活習慣

物質的な制限

たとえば、お金がなければなかなか病院にも行けません。

そのため検査による病気の発覚が遅れたり、十分な治療が受けられないなどの制限も出てくる可能性もあります。

他にも、健康にいい食品を手に入れようとするとどうしても値段が高くなってしまうことが多いので、安くて健康にも良くない食品などを食べる機会も増えてしまいます。

こういった物質的な制限により寿命が短くなりやすいという考え方があります。

ストレス

お金をある程度持っている方は、日々何かの購入を我慢するというストレスが少なくなります。

また、お金を持っている人は会社などで上の立場になっていることも多いので、人間関係におけるストレスも下の立場の方に比べると少ない可能性も考えられます。

こうした日々の細かなストレスの有無も寿命に影響している可能性も考えられます。

生活習慣

物質的制限とつながるところもありますが、高収入の人は健康にお金をかけることが可能ですが、年収が低いとなかなかそうはいきません。

毎日格安のインスタント麺や牛丼など、偏った食事になってしまったり、野菜などをとるのを怠り栄養が不足してしまうことも考えられます。

このような日々の生活習慣の違いも、寿命に関わってくるのではないかと考えられます。

まとめ

今回は「平均寿命と所得に関係はあるのか」について統計データから考えてみました。

平均寿命と所得の関係は、住んでいる地域によって違いがあり、住んでいる地域で年収の違いあることから、間接的には関係があるのではないかと考えました。

また、それに加えて同じ所得であっても、富裕層地域に住んでいる方が長生きするということも分かりました。

所得だけが寿命を左右するわけではありませんが、長生きしたい人は収入を上げて、富裕層地域に住んだり、日々健康に使えるお金を増やせるように努力するのもよいでしょう。

ほかにもこんなことが寿命に影響を与えているんじゃないの?みたいなものなどがあれば、是非コメントなどで皆さんの考えも聞かせてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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  • この記事を書いた人

にっしー

フリーランス3年目の29歳。 専門統計調査士など、統計に関する資格を複数保有。 自分が数学苦手だった文系だからこそ書ける、分かりやすい情報発信を心がけています。 著書『これから学ぶ人のための統計学超入門』 寄稿実績『知識ほぼゼロからデータ分析の専門家になる(週刊東洋経済)』、『50歳からの学び直し入門 (インターナショナル新書)』(一部)

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