回帰分析は、原因と結果の関係を分析する手法の一つです。
例えば、価格(原因)と売り上げ(結果)の関係を分析することにより、売り上げを予測することができます。
Excelを使って回帰分析をしてみよう
回帰分析を行う方法として、散布図から近似曲線と決定係数を導き出す方法と分析ツールを使用して近似曲線、決定係数を導き出す方法があります。
最初に、散布図から近似曲線と決定係数を導き出す方法を説明します。
散布図から近似曲線と決定係数を導き出す
例として、価格(原因)と売上個数(結果)の回帰分析を行います。
①セルの範囲選択を使用して、価格と売上個数のすべてのデータを選択します。
②挿入タブの「散布図(X,Y)またはバブルチャートの挿入」の「散布図」をクリックします。
③散布図を見やすくするため、横軸の数字を左クリックして、横軸が囲まれたら、右クリックし、「軸の書式設定(F)...」をクリックします。
④軸の始まりを示す境界値の最小値(N)が「0」になっていますので、「150.0」に変更し、Enterキーを押し、×をクリックし、画面を閉じます。
⑤横軸が「150」から始まり、散布図が見やすくなります。
⑥散布図の点を選択して、右クリックし、「近似曲線の追加(R)...」をクリックします。
⑦「線形近似(L)」、「グラフに数式を表示する(E)」、「グラフにR-2乗値を表示する(R)」にチェックを入れて、×をクリックし、画面を閉じます。
⑧分析結果として、近似曲線と決定係数が表示されます。
分析ツールを使用して近似曲線と決定係数を導き出す
Excelの分析ツールを使用して、回帰分析を行います。
分析ツールを使用する前に、Excelの分析ツールが使用できるように設定します。
①Excelを起動し、オプションをクリックします。
②アドインを選択して、管理(A):に「Excel アドイン」を設定し、設定(G) ...ボタンをクリックします。
③アドイン画面が表示されますので、分析ツールにチェックをつけ、OKボタンをクリックします。
④データタブをクリックし、データ分析が追加されていることを確認します。データ分析が追加されていれば、データ分析ツールの準備は完了です。
Excelの分析ツールを使用した回帰分析の方法を説明します。
例として、価格(原因)と売上個数(結果)の回帰分析を行います。
①データタブからデータ分析をクリックします。
②データ分析画面が表示されますので、回帰分析を選択し、OKボタンをクリックします。
③回帰分析画面が表示されます。
項目名 | 説明 |
入力Y範囲(Y) | 結果となるデータを範囲選択します。 |
入力X範囲(X) | 原因となるデータを範囲選択します。 |
ラベル(L) | データの範囲を選択した際、先頭行の項目名も範囲選択した場合に、チェックを入れます。 チェックを入れ忘れた場合は、以下のようなエラーメッセージが表示されます。 ![]() |
定数に0を使用(Z) | 切片が「0」の場合に、チェックを入れます。 |
有意水準(O) | 信頼区間の比率を設定します。 結果は、初期値である95%信頼区間とここで設定した信頼区間の比率の結果の2種類が出力されます。 |
一覧の出力先(S) | 同じシート内に分析結果を出力する場合に、チェックを入れます。 分析結果を出力する先頭行のセルを指定します。 |
新規ワークシート(P) | 分析結果を新しいワークシートに出力する場合に、チェックを入れます。 |
新規ブック(W) | 分析結果を新しいブックに出力する場合に、チェックを入れます。 |
残差(R) | 結果と予測値の差を出力する場合に、チェックを入れます。 |
残差グラフの作成(D) | 残差に加え、残差のグラフを出力する場合に、チェックを入れます。 |
標準化された残差(T) | 残差に加え、標準残差を出力する場合に、チェックを入れます。 |
観測値グラフの作成(I) | 結果と予測値のグラフを出力する場合に、チェックを入れます。 |
正規確率グラフの作成(N) | 正規確率グラフを出力する場合に、チェックを入れます。 |
④入力Y範囲にセルの範囲選択を使用して、結果である売上個数のデータを入力します。
⑤入力X範囲に原因である価格を入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑥セルの範囲選択を使用して、価格データを入力後、範囲選択ボタンをクリックします。
⑦その他の条件を設定し、OKボタンをクリックします。
⑧回帰分析結果が表示されます。
最後に、複数の原因が考えられる場合に結果との関係を分析する重回帰分析を説明します。
例として、最高気温(原因)、価格(原因)、競合店の価格(原因)と売上個数(結果)の重回帰分析を行います。
①データタブからデータ分析をクリックします。
②データ分析画面が表示されますので、回帰分析を選択し、OKボタンをクリックします。
③回帰分析画面が表示されます。
項目名 | 説明 |
入力Y範囲(Y) | 結果となるデータを範囲選択します。 |
入力X範囲(X) | 原因となるデータを範囲選択します。 重回帰分析の場合に、原因となるデータの範囲選択が連続していない場合は、以下のエラーメッセージが表示されます。 ※今回のデータであれば、最高気温と競合店の価格を範囲指定した場合 |
ラベル(L) | データの範囲を選択した際、先頭行の項目名も範囲選択した場合に、チェックを入れます。 チェックを入れ忘れた場合は、以下のようなエラーメッセージが表示されます。 |
定数に0を使用(Z) | 切片が「0」の場合に、チェックを入れます。 |
有意水準(O) | 信頼区間の比率を設定します。 結果は、初期値である95%信頼区間とここで設定した信頼区間の比率の結果の2種類が出力されます。 |
一覧の出力先(S) | 同じシート内に分析結果を出力する場合に、チェックを入れます。 分析結果を出力する先頭行のセルを指定します。 |
新規ワークシート(P) | 分析結果を新しいワークシートに出力する場合に、チェックを入れます。 |
新規ブック(W) | 分析結果を新しいブックに出力する場合に、チェックを入れます。 |
残差(R) | 結果と予測値の差を出力する場合に、チェックを入れます。 |
残差グラフの作成(D) | 残差に加え、残差のグラフを出力する場合に、チェックを入れます。 |
標準化された残差(T) | 残差に加え、標準残差を出力する場合に、チェックを入れます。 |
観測値グラフの作成(I) | 結果と予測値のグラフを出力する場合に、チェックを入れます。 |
正規確率グラフの作成(N) | 正規確率グラフを出力する場合に、チェックを入れます。 |
④入力Y範囲にセルの範囲選択を使用して、結果である売上個数のデータを入力します。
⑤入力X範囲に原因である最高気温、価格、競合店の価格を入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑥セルの範囲選択を使用して、最高気温、価格、競合店の価格データを入力後、範囲選択ボタンをクリックします。
⑦その他の条件を設定し、OKボタンをクリックします。
⑧重回帰分析結果が表示されます。
ビジネスにおける回帰分析の活用事例
最高気温が35度なら、今日のアイスは100本、売れるという売り上げ予測ができます。
また、顧客満足度の調査から、価格や接客態度など、どの項目を改善すれば、顧客満足度がアップするかという影響度がわかります。
まとめ
回帰分析により、売り上げ予測や売り上げに多く影響を与えているものが何かなどを知ることができます。
回帰分析を使いこなすことができれば、予測や影響度など、ビジネスには重要な要素がわかるようになります。
回帰分析を使いこなして、ワンランク上のビジネスマンを目指してください!