相関分析とは
相関分析とは、2つの事柄の関係性を数値であらわす分析方法です。
2つの事柄の関係性をあらわした数値を相関係数と言います。
相関係数は-1から+1までの値をとります。
値がそれぞれ1に近いほど、相関関係が強く、値が0に近いほど、相関関係が弱いということになります。
Excelを使って分析してみよう ~CORREL関数~
Excelの関数であるCORREL関数を使用して相関分析を行います。
CORREL(コーレル)関数は、相関という意味をもつCORRELATION(コリレーション)からきています。
これからCORREL関数を使用して分析する3つの方法を説明します。
例として、最高気温とビールの売り上げについての相関分析を行います。
セルに直接、関数を手入力する方法
1つ目の方法は、セルに直接、関数を手入力する方法です。
①セルにカーソルがある状態で、「=co」と入力すると、COから始まる関数の一覧がプルダウンで表示されます。
②下矢印で「CORREL」までフォーカスを移動させ、Tabキーを押します。
③CORREL関数で比較したいデータの入力待ち状態となります。
④セルの範囲選択を使用して、最高気温のデータを入力します。
⑤データを区切るため、「,」を入力します。
⑥セルの範囲選択を使用して、ビールの売り上げデータを入力し、Enterキーを押します。
⑦相関分析結果が表示されます。
関数を挿入する方法
2つ目の方法は、関数を挿入する方法です。
①セルが選択されている状態で、fxボタンをクリックします。
②関数の挿入画面が表示されます。
③関数の検索欄に、「相関」と入力し、検索開始(G)ボタンをクリックします。
④検索結果の関数名からCORREL関数を選択し、OKボタンをクリックします。
⑤関数の引数画面が表示されます。
⑥配列1にセルの範囲選択を使用して、最高気温のデータを入力します。
⑦配列2にビールの売り上げデータを入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑧セルの範囲選択を使用して、ビールの売り上げデータを入力後、範囲選択ボタンをクリックします。
⑨OKボタンをクリックします。
⑩相関分析結果が表示されます。
数式タブから関数を入力する方法
3つ目の方法は、数式タブから関数を入力する方法です。
①セルが選択されている状態で、数式タブのその他の関数の中にある統計のCORREL関数を選択します。
②関数の引数画面が表示されます。
③配列1にセルの範囲選択を使用して、最高気温のデータを入力します。
④配列2にビールの売り上げデータを入力するため、範囲選択ボタンをクリックします。
⑤セルの範囲選択を使用して、ビールの売り上げデータを入力し、範囲選択ボタンをクリックします。
⑥OKボタンをクリックします。
⑦相関分析結果が表示されます。
以上の3つの方法で、CORREL関数によるデータ分析を行うことができます。
その他のExcel関数についても、この3つの方法が使用できます。
Excelの分析ツールを使った相関分析
分析ツールの準備
Excelの分析ツールを使用して、相関分析を行います。
分析ツールを使用する前に、Excelの分析ツールが使用できるように設定します。
①Excelを起動し、オプションをクリックします。
②アドインを選択して、管理(A):に「Excel アドイン」を設定し、設定(G) ...ボタンをクリックします。
③アドイン画面が表示されますので、分析ツールにチェックをつけ、OKボタンをクリックします。
④データタブをクリックし、データ分析が追加されていることを確認します。
データ分析が追加されていれば、データ分析ツールの準備は完了です。
分析ツールを使用した相関分析の方法
Excelの分析ツールを使用した相関分析の方法を説明します。
例として、最高気温とビールの売り上げについての相関分析を行います。
①データタブからデータ分析をクリックします。
②データ分析画面が表示されますので、相関を選択し、OKボタンをクリックします。
③相関の画面が表示されます。
項目名 | 説明 |
入力範囲(I) | 比較するデータを範囲選択します。 |
データ方向:列(C) | 比較するデータが列の場合に、チェックを入れます。 |
データ方向:行(R) | 比較するデータが行の場合に、チェックを入れます。 |
先頭行をラベルとして使用(L) | データの範囲を選択した際、先頭行の項目名も範囲選択した場合に、チェックを入れます。 チェックを入れ忘れた場合は、以下のようなエラーメッセージが表示されます。 |
出力先(O) | 同じシート内に分析結果を出力する場合に、チェックを入れます。 分析結果を出力する先頭行のセルを指定します。 |
新規ワークシート(P) | 分析結果を新しいワークシートに出力する場合に、チェックを入れます。 |
新規ブック(W) | 分析結果を新しいブックに出力する場合に、チェックを入れます。 |
④条件を設定して、OKボタンをクリックします。
⑤相関分析結果が表示されます。
以上で、Excelの分析ツールを使用した説明は終わりです。
相関があると因果関係があるのか
相関があるとしても、必ず因果関係があるとは言えません。
因果関係とは、Aという原因で、Bという結果になるということです。
例えば、ソフトクリームの売り上げとビールの売り上げに強い相関関係があったとします。
しかし、ソフトクリームの売り上げが多ければ、ビールの売り上げも多くなると言えるでしょうか。
ソフトクリームやビールは夏などの気温が高い時に、売り上げが多くなると考えられます。
ソフトクリームの売り上げが多ければ、ビールの売り上げも多くなるのではなく、気温が高い(原因)ため、ソフトクリームとビールの売り上げが多く(結果)なるのです。
ビジネスにおける相関分析の活用事例
コンビニなどで商品を売る場合の商品の配置に活用することができます。
商品ごとの売り上げデータから相関分析を行い、相関関係が強い組み合わせの商品を隣同士に配置しておけば、一緒に購入してもらえる確率が上がり、売り上げアップにつながります。
まとめ
相関関係を分析することで、いろいろなものの相関関係を知ることができ、思いもかけないもの同士が強い相関関係にあるということがわかります。
そこから強い相関関係があるが、因果関係はあるのだろうか。別の原因が考えられるのではないのだろうかと思考を巡らせることができます。
新たな発見をして、それを検証していくことが統計の楽しみです。
今回の手順どおりに操作すれば、ひと通りの相関分析を体験することができます。
身の回りにはたくさんのデータであふれています。
そんな身の回りのデータで相関分析を行って、新たな発見をみつけてみましょう。
(参考)